現在早稲田大学に在籍中の留学生が、日頃過ごしている忙しない都心のキャンパスを離れ、長野県北部にある自然豊かな農村・木島平村を、留学センターのスタッフとともに訪れました。
6年前より木島平村と本学は、地域活性化策を提案する共同ワークショップを毎年行うなど有意義な交流を続けてきましたが、昨年正式に連携協定を結び、研究や地域貢献活動に関して支援・協力し合うパートナーとなりました。木島平に魅せられた学生も多く、2013年には自分たちが主体となって交流活動を続けるための学生サークルが発足しています。
今回留学センターでは、日本の長い歴史の中に常にあり、社会を根底から支えてきた農村地域の生の姿を、本学で学ぶ留学生にも見てもらおうと、2泊3日の「農村体験プログラム」を実施しました。秋学期の始まる忙しい時期であったため、少人数のグループでの実施となりましたが、ちょうど稲の刈取りが始まる週末で、収穫前の地域のお祭りもあり、留学生にとっては大変貴重で、深く印象に残る体験となったようです。参加した留学生からのレポートをお届けします。(留学センター)
木島平村
氏名: トラン・グエン
国籍: ベトナム
早稲田での所属: 商学研究科ビジネス専攻2年
この「農村体験プログラム」に参加を申し込んだ時点では、このような素晴らしい経験をするための準備はあまりできていませんでした。この旅では、東京を離れ新鮮な空気を享受するだけでなく、名高い農業地区を探索するとともに、日本の伝統文化や村の遺跡について学ぶ機会がありました。主な活動は以下のようなものです。
・農家の方にインタビューし、米の収穫の様子を見学
・小規模な木材工場と農業高校を訪問
・村の伝統的なお祭りに参加
・村長のお宅に滞在
村の農家の人々が、どのように機械を使って稲の収穫をするのか学びました
農業地区の散策中には、農家の方々から果物を分けてもらったり、自宅や仕事場を訪問させてもらったりしました。初めて出会った者に対してこれだけの信頼を置くようなことは、ほかの国では見たことがなく、大変素晴らしいと思いました。残念ながら、あの優しい村の人たちへ感謝を余すところなく伝えるほど、私の日本語はうまくはなかったのですが。
素晴らしい村のお祭りに参加しました
私たちのグループのことは、早稲田大学留学センターの山口さんと谷本さんがよく面倒を見てくれました。日本の伝統文化について辛抱強く説明してくれたり、村の人たちへ感謝を伝える手助けをしてくれたり、旅の間のトラブルを解決してくれたりしました。おかげさまで、何の心配もなく、素晴らしい経験を100%楽しむことができました。
見てください!ホストファミリーによる豪華な夕食です
これまでは、ツアー旅行では提供されないような様々な活動を楽しむために、多くの場合ひとりで日本国内を旅してきました。けれども今回の木島平の旅は、過去の旅とは全く異なっていて、観光を楽しむだけでなく、とても自然で興味深い方法によって、ビジネスや農業、文化について学べたという意味で、驚くべき旅でした。
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農村体験プログラム
氏名: ダニエル・ソマセット
国籍: イスラエル
早稲田での所属: 政治経済学部2年
早稲田大学留学センター主催の「農村体験プログラム」は、私がこれまで経験してきた中でも、間違いなくもっとも生き生きとした豊かなものでした。日本の農村地域での生活についてのとても貴重な見識が得られ、また地域に住む方々と交流する特別な機会を持てたことにより、とりわけ記憶に残る旅となりました。
この旅では、私たちが交流を深めた人々より、大変行き届いたもてなしや協力を受けました。なかでも、木島平村滞在中のガイドでありホストであった竹原さんによるサポートは、どんな期待をも上回るものでした。また彼らは、私たちが単なる外部からの観察者なのではなく、直接的な参加者であるという気持ちになるような雰囲気や環境を作るのに貢献してくれました。
留学センターにより企画・実施されたこの村での様々な活動は、興味深く、楽しく、そしてまた大変意義深いものでした。留学センターの担当者の方々は、地域に住む人々を会話に引き込み、村での生活や仕事についてインタビューを行い、一方で学生に質問をするよう促していました。このような、学生と、地域の農家や企業家、村役場の方々との間の交流は、留学センターの方々がいなければ不可能だったでしょう。
日本にやってきて以来、早稲田大学がいかによく知られており影響力を持っているかを知るにつけ、面白く思っていました。しかし今回のプログラムに参加している間、私は心から、この影響力の大きさをありがたいと思いました。人々はしばしば、たった一言大学名を言っただけで、親しみをもって対話をしてくれました。この長きにわたる評判は、早稲田大学がいかに社会福祉に貢献し、そして日本社会に溶け込んでいるかを証明しています。私たちが学生としてできることは、こうした状況をうまく利用し、日本社会についてもっと知ることです。留学センターの「農村体験プログラム」は、まさにそのような機会を提供してくれるものでした。