Profile
氏名: Ambika Kamat
出身校: Parvatibai Chowgule College(インド・ゴア州)
早稲田大学とインドのチョウグル・カレッジの交換留学プログラム参加者

右から一番目
全体的な感想
2012年11月、私はチョウグル・カレッジと早稲田大学の交換留学プログラムを通して早稲田大学を
訪れました。以前から日本文化に興味があったのですが、実際体験しながら文化を学べる絶好の
チャンスでした。このプログラムを通して日本の言語、宗教、社会、そしてなによりも人々など、様々な
面を垣間見る事ができました。定期的に開かれた講義を通して早稲田大学の教育、学生生活や
キャンパス施設について知り、様々な文化的名所を訪れさらに知識を磨くことができました。
早稲田での教育状況やキャンパス活動
講義
定期的に多様なテーマの講義を受ける事ができたので、言語社会学、ジェンダー、現代芸能、 京都の
水情景、日本の歴史などについて知識をつける事ができました。これらの講義のうち、最もおもしろかった
のが山口先生の「東日本大震災」とワット教授の「日本の歴史と文化における神道」でした。
これらの講義を通して、内容の理解を高め、興味を引き出すために早稲田で使われる教材ツールに
ついて知ることができました。
キャンパスで現地の学生たちとの日常的な交流もできたおかげでインドの大学制度との微妙な違いに
気づく事ができ、二校の学士制度の期間(早稲田は4年、チョウグルは3年)や選択科目、専攻分野、学部、
就職活動、単位、学期、カリキュラム、採点基準やレポートなどの仕組みを比較してみたくなりました。
キャンパスでの課外活動
☆ライティングセンター訪問
プログラムのあいだ、早稲田のライティングセンターも訪問させてもらいました。チョウグルでの
ライティングセンターの設立とのきっかけを作ってくださった佐渡島准教授がライティングセンター
について説明してくださり、「ライティングセンターでは機械的に学生の作文を修正するのではなく、
議論や提案などを重ねて文章の書き方を向上させる指導」を行っている点を強調されていました。
チョウグルで2か月間学生講師として指導した経験を持つ自分としては、早稲田の学生講師の方々と
交流できた事で、学生の作文力を向上に導くツールやスキルなどの知識を広げる事ができました。
☆学生サークル:先代から受け継いだ伝統を重んじり、次世代に伝える
個人的に一番いいと思ったのが「学生サークル」でした。学生たちが趣味を楽しむという形式で伝統を
守り、頭を休め、勉強からのストレスから解放され、努力が認められれば単位を取得し、それを他の学生に
も勧める事ができるのです。 早稲田で見学させてもらったサークルは 「茶道研究会」とダンスクラブの
ふたつでした。古くから伝わる茶道文化を守る研究会で学生たちはその洗練されたしきたりについて
学びます。(私自身も体験させてもらいました。茶碗を回し、抹茶を堪能し、茶碗の美しい柄に見とれながら
畳の和室で座布団に座り…ああ!もう天国のような気持ちでした。)ダンスサークルではソーラン節という
北海道の漁師の踊りを教わりました。この体験も楽しかったです!
☆西早稲田キャンパス理工学部ツアー
西早稲田の理工学部見学ツアーはとても面白かったです。ロボットだらけの空間はまさに「機械系」でした。
すべてここの学生たちが作った斬新な機械という事でした。私が一番興味を持ったのは学生たちが
作ったモデルで実験するワークショップでした。彼らのような知的で探究心を携えた学生たちこそが日本
の技術的進歩のカギを握っているのでしょう。
☆アメフトゲーム
ビッグ・ベアーズとユニコーンの試合は圧巻でした!ひっきりなしに変わるスコアボードに目をやりながら
チームの応援団や歓声をあげて応援する観客に囲まれ、スポーツ一色の一日となりました!その日は
早稲田チームの勝利となり、最高の締めくくりとなりました。
日本文化体験
☆文化的名所の訪問
新江戸川公園、芭蕉庵、明治神宮、浅草寺、浅草や江戸東京博物館などの名所を訪れ、さらに文化
体験を深めることができました。江戸時代の情緒を再現した等身大の人物像や建築物、侍の刀や鎧、
物語が書かれた古書や巻物も素晴らしかったです。繊細な装飾、高い芸術性と華美な仕上がりの品々
に強く吸い寄せられました。(なにより、江戸東京博物館の80歳を超えた流暢な英語を話すベテラン
ガイドの女性が色々説明してくれたのが最高でした。彼女は博物館のすべての展示品にまつわる
歴史をほぼ完璧に知っていたのです。1日中そこにいたいほどでした!)

☆社会的価値観、公共マナーやエチケットなど
日本の人たちの魅力は時間を守る習慣、自己管理、自律性、清潔感、信頼性、優しさ、謙虚さや社交性
などにあると感じました。彼らの美的センス、独創性、機転の利かせ方、仕事への忠誠心は素晴らしい
です。日本が世界一安全な国のひとつであるのもこのような価値観が文化に根付いており、社会全体
に浸透しているからなのだと思います。
☆のり巻きパーティー:佐渡島教授と家庭料理を堪能
佐渡島教授のお宅におじゃまして手巻き寿司を作りました!たくさんの色鮮やかな具の寿司が並び、
どれも素晴らしい味でした。あの味を表現するには「オイシイ」以外の言葉はありません。
日本の家庭料理を作って楽しんだ経験は一生忘れない思い出になりました。食後はビンゴを2回やり、
勝者にはすてきなプレゼントもありました。

☆仏教体験で味わった静寂なひととき
- 鎌倉旅行
日本での最初の1週間があっというまに終わった11月10日は自由行動の日でした。文化と宗教に興味が
あった私は鎌倉を見学することに決めました。直前にガイドをお願いした留学センターの山口課長がご親切
に同行してくださり、その友人の野川環さんも一緒に来てくれました。江の島で有名な「江ノ電」に乗り、大仏
像のある高徳院からはじめ、長谷寺、武将たちが祀られている鶴岡八幡宮、竹の庭で有名な報国寺を訪問
したのち、建長寺で一時間座禅を組みました。重く鳴り響く鐘の音とお香の香りに包まれ、心が洗われる
ようなスピリチャルな体験でした。
環さんと一緒に漢字で書かれたお経を筆と墨でなぞる写経にも挑戦してみました。一生に一度は日本の
お寺を見てみたいという長年の夢がまさに実現した日でした。手を水で清めたり神様にお祈りする前に
鐘を鳴らしたり、ご利益のためにお守りを買ったり、おみくじをひいたりなど、インドのお寺での習慣と
類似している点をたくさん発見しました。私のためにこの貴重な旅行を計画してくださった佐渡島准教授
と山口さんに感謝しています。

- 真如苑のお寺訪問
その次のツアーオプションだった真如苑もまた癒される体験でした。佐渡島准教授の計らいで別の
日本の仏教の宗派を知ることができました。この教団は76年前に立教され、涅槃行とブッダの最後
の教えを 説いているそうです。黄金の涅槃物と菩薩様が美しく印象に残りました。
駅の看板に書かれた漢字を覚えたのも忘れられない思い出です。
インド・デー:真の文化交流が成立した日
文化交流というものは一方的に行われるプロセスではありません。新しい文化について学ぶと同時に、
自分の文化の信仰、価値観、習慣や伝統なども詳しく把握し、相手に説明できてから、初めて対等な
交流が成立するのです。そして二つの文化を比較できる理性と新しい物事を受け容れる感受性を常に
備えるべきでしょう。大隈ガーデンホールで行われたインド・デーのイベントでは実にそのような文化
交流が実現できました。
インドの文化を伝統芸能やボリウッド音楽やフォークパフォーマンスなど、様々な催し物を通して日本の
人たちに届けるのは楽しい体験でした。観客のみなさんにはイベント中インドのスナックをお出ししました。
二つの独特な文化を共有できたあとの達成感は言葉で表せるものではありません。
最後に、早稲田大学の教職員の方々と学生のみなさんに心からお礼を述べます。
特に佐渡島准教授、山口さん、田邊さん、江頭さん、柏崎さん、そしてSILSの学生のみなさん。いつでも
私たちの手助けをしてくれ、私の日本滞在を快適で一生の思い出に残るような経験にしてくださり、
本当にありがとうございました。

Indian Cultural Night