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メッセージ
地球市民になろう
 
留学センター所長 黒田一雄
 早稲田大学は1882年の創立以来、たくさんの留学生を迎え入れるばかりでなく、多くの学生を留学生として世界中に送り出してもきました。それが世界に開かれた大学として、現在に至るまで脈々と伝統となって息づいております。

 我が国の歴史を紐解いてみると、遠く遣隋使、遣唐使の時代には、運輸通信手段の未発達の故に命を賭して、当時の知識階層である僧侶が中国に留学しました。また、幕末を経て明治時代以降には、優れた文化、技術、制度を吸収しようと、国家的使命を受けた若い留学生が西欧を中心に派遣されたり、自ら欲して留学したりしてきました。これらの人々は、その時代のエリート階層であったといえるでしょう。

 このような事情は近年、一変しました。第2次世界大戦後の日本では経済の高度成長を経て、海外旅行をはじめ海外渡航が日常的な現象となりました。また、コンピュータ、インターネットをはじめとする情報通信技術の進歩により多くの情報がリアルタイムで入手することも可能となり、渡航も安全で速いものとなりました。こういう時代における「留学の意味と意義」というものを、その原点に戻って再考してみることは、留学を考えるに当たり、きわめて重要なことです。

 留学を通して、異文化なり、広い世界の文物なり、進んだ考え方なり、優れた人材なりを、自分の目で見、自分の体で体験し、学ぶということは、視野を広げ、幅広く考える方法を身につけるのみならず、自分自身を再発見し、それにより自分の方針を定め、自信を深めることに繋がる可能性があります。これらは、人生において何事にも代え難い、貴重な経験となり、ひいては本人の財産となるに違いありません。

 このような貴重な機会を逃さず、より実り多いものにするためには、周到な準備と強い問題意識を持つことが何よりも大切です。何のために、誰のために留学するのか、そして、誰のお陰で、自分が留学に行くことができるのかを謙虚によく考えて、方針を定めてください。そして、どん欲に吸収する体勢を作りましょう。その十分な検討と計画こそがこれからの留学の成否を決すると言っても過言ではないからです。

 充実した留学生活は、大学のサポートに依存するだけで手に入るものではありません。自分から積極的に働きかけることにより得られるものなのです。海外で築く友人関係もしかりであり、よい友人を得るには自らも友人になにがしかの情報なり考え方なりを提供する必要があります。皆さんの場合は、日本についての知識を留学先の学生に教えてあげることも、双方にとって大きなメリットとなるでしょう。というのも、そういった知識に留学先の学生も飢えているわけで、またそういった過程を通じて、真の友人となることができるからです。 ぜひ、すばらしい留学生活をこの早稲田を通じて実現させてください。私たちも全力で皆さんの留学を支援いたします。
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